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広瀬すず・永野芽郁・徳永えりが好演。春に観たい映画3選
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四季があるのはなにも日本に限ったことではないが、日本人は季節の変化に特に敏感であるかもしれない。

冬が終わり春が訪れると、咲いた桜を愛でながら酒を飲み、散る桜にも美を感じてしまう。そのような感性を持つ人々にとって、春の訪れは特別なものだ。

そこで本記事では、来たる春に向けて、一足先に春の訪れや暖かさを感じることのできる映画を紹介します。

 

 
『PARKS パークス』(2017年)

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東京・吉祥寺にある井の頭公園100周年を記念してつくられた映画『PARKS パークス』は、井の頭公園を舞台に、過去と現在を繋ぐ爽やかな青春音楽映画。橋本愛、染谷将太、永野芽郁が主演し、トクマルシューゴが音楽を手がけた。監督は『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』の瀬田なつき。

吉祥寺、井の頭公園の舗道脇にあるアパートに住む大学生の吉永純(橋本愛)のもとに、ある日、木下ハル(永野芽郁)と名乗る高校生が突然訪ねてくる。ハルは亡き父の昔の恋人を探しており、純が住んでいる部屋には以前その恋人が住んでいたのだという。2人はその女性、佐知子の居場所を突き止めるが、彼女はすでに亡くなっていた。代わりに、佐知子の孫トキオ(染谷将太)に出会う。

数日後、トキオが祖母の遺品のなかからテープを発見。再生すると、若き日のハルの父親と佐知子の歌が吹き込まれていた。しかし、音楽は途中で途切れてしまう。純、ハル、トキオの3人は、50年前に作られたこの歌の続きを作ることにする。

 
見どころのひとつはやはり音楽で、トクマルシューゴをはじめ、相対性理論、スカート、シャムキャッツ、Alfred Beach Sandal、大友良英、パスカルズなど、錚々たるメンバーの音楽が自然に映画に溶け込み、心地良い輝きを与えている。

また物語を推進する50年前のフォークソングと、純、ハル、トキオによって現代のJ-POPにつくりかえられた“Park Music“も、耳に残る美しい旋律を奏でる。近年の日本映画では音楽がより重要な役割を果たすようになってきているが、本作でも音楽は、ある種の懐かしさや感傷を引き起こさせ、観客の感情を引き受ける。

しかし最大の見どころは、ある点を境に、本作が王道の青春音楽映画から離れていくことにある。ひとつの画面で過去と現在がシームレスに繋がれ、現実と幻想が入り交じる。その境目がどこにあるのかもはや明確ではなく、しまいには「この登場人物も、もしかして幻想だったのでは?」と思わせるような展開に。このあたりに、瀬田なつきの師である黒沢清の影響を見ることもできるだろう。

1960年代と現代が、吉祥寺の井の頭公園という同じ場を通して重なり合う。井の頭公園100周年プロジェクトという大テーマと作品の内容が絶妙にリンクした本作を観ると、春の井の頭公園を散歩してみたくなる。

桜満開の公園を吹き抜ける春の風のように心地良い、爽やかな映画。