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バレンタインに見たい!恋する気持ちを後押ししてくれる恋愛映画4選
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バレンタインの由来は諸説あり、その形も各地でさまざまだが、20世紀に入った頃から「愛を告白する日」として世界中に定着するようになった。もしもいま、誰かに恋をしているならば、その気持ちはバレンタインが近づくにつれて高まっていくに違いない。

意中の相手に想いを伝えたい、だけど勇気がない。あるいは、恋人との関係を深めたい。もしくは、好きな人はいないけども、恋する気分に浸りたい。そんな時にぴったりの、片思いが両想いへと成熟する映画をご紹介。

 

『あと1センチの恋』(2014年)

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ロージー(リリー・コリンズ)とアレックス(サム・フランクリン)は6歳からの幼馴染。大学進学を機に、イギリスの田舎町を離れて一緒にアメリカのボストンへ留学することに。しかし、あることがきっかけでロージーだけが地元に残ることになる。お互いを想いながら言葉にできないまま離れ離れになった2人は、それ以降、近づいては離れ、離れてはまた近づいてを繰り返す……という話。

軽いタッチでテンポ良く描かれ、展開もわかりやすく、気負う必要なく観られる映画。カラフルでおしゃれポップ。セックス描写すらポップに描かれているので、いやらしさがない。時代を象徴するヒット曲が随所に使われていて、その使い方にセンスがある。サントラが非常に素晴らしい。

妊娠・出産、婚約、結婚、離婚など、人生の一大イベントはそれだけで映画一本のテーマになり得るはずだが、これらはあまりにあっさりと、軽めのタッチで描かれる。しかしそうしたものが比較的あっさり描かれるのには、時間的制約以外の理由がある。すなわち、主人公たちにとっては「あと1センチの恋」が何よりも大切であり、様々なイベントはその1センチの届かなさを埋めるためにあったのだということ。

様々なボタンの掛け違いによって、長い長い片思いをすることになってしまった2人。映画は幸福なラストシーンを見せるが、できればこんなに遠回りをすることなく、隣にいる人を大切にしたいものだ。

 

『好きだった君へのラブレター』(2018年)

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16歳の高校生、ララ・ジーン(ラナ・コンドル)は真面目で内気な女の子。そしてちょっと妄想しがち。好きな男の子ができても、こっそりラブレターを書いては、渡すこともなく保存してきた。しかし、出すつもりのなかったラブレターがなぜか本人たちの手に渡ってしまうことに……という話。

2018年にNetflixで配信されたラブコメディ。主人公を中心としたキャラクター造形が素晴らしく、安心して観られる。ストーリーはベタで、展開は読めるかもしれないが、その通りになる展開を楽しむタイプの映画。友人や恋人とピザでも食べながら観るにはうってつけだろう。

『あと1センチの恋』と同じく、こちらもサントラが素晴らしい。素敵な恋の映画に素敵な音楽はつきものだ。

この映画は作品の外でも様々な話題を呼び起こしている。たとえば公開後、Netflixが映画にちなんで「渡せなかったラブレター」を募集すると、全世界から約700通ものラブレターが届いたという。また、劇中で「韓国のヨーグルトスムージー」と紹介されたヤクルトが、この映画をきっかけに売り上げを伸ばすという現象も起きている。さらには、昨今話題のホワイトウォッシングをせずにキャスティングしたという点でも評価されており、現代ラブコメの歴史をひとつ更新したと言える。

なお、劇中でララ・ジーンのお気に入り映画としてオマージュされる『すてきな片思い』も、今観たら多少古いところはあるが、名作。名作映画がほかの映画をポジティヴに引用している時、引用された映画は、ほぼ間違いなく名作。

 

『エターナル・サンシャイン』(2004年)

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バレンタインを目前に、ケンカしてしまったジョエル(ジム・キャリー)とクレメンタイン(ケイト・ウィンスレット)。ジョエルは仲直りしようとプレゼントを持ってクレメンタインに会いに行くが、彼女はジョエルとの思い出を忘れるために、記憶切除手術をしてしまっていた。傷付いたジョエルは、自分も同じ手術を受けようとする。施術中、彼女との思い出が掘り起こされていくなか、ジョエルは無意識下で手術に対抗しようとする……という話。

非常に高度な脚本と秀逸なアイデアでつくられた作品で、映画好きならばぜひおさえておきたい一本。時系列が複雑なのと記憶切除のシーンがややトリッキーなので、集中して観ないとわかりにくい点もあるかもしれないが、映画史に光り輝くマスターピースのひとつなので、観ておいて損はない。

好きな人との過去の思い出をもっと大切にし、これからも積み重ねていこうと思える作品。凍った川に寝そべって夜空を眺めるシーンなど、真似したくなる名シーン多し。冬の寒さを少しだけ愛せるようになる映画かもしれない。

劇中、「忘却はより良き前進を生む」というニーチェの言葉が繰り返し引用される。しかしこれは意訳であり、より直接的に訳すとするならば「忘れっぽい人は幸運である。彼らは失敗からさえより良きものを得るからである」となる。

監督のミシェル・ゴンドリーは本作で、忘却しようとも分かち難いものを愛と名付け、「失敗から学ぶことで愛はより良きものになる」と示したのではないだろうか。

 

『勝手にふるえてろ』(2017年)

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24歳のOLヨシカ(松岡茉優)は、中学時代の同級生“イチ”(北村匠海)に10年間片思い中。過去のイチとの思い出を召喚し、脳内恋愛に忙しい。そんななか、ヨシカにはリアル彼氏“ニ”(渡辺大知)ができる。人生初の告白に舞い上がるも、いまいち乗れないヨシカ。ある日、ヨシカは「一目でいいから、今のイチに会って前のめりに死んでいこう」と同窓会を計画し、イチと再会するが……という話。

せっかくなので邦画からも一本。綿矢りさの小説を原作とした本作は、何よりキャラクターが素晴らしい。ヨシカという愛すべきサブカル女子のキュートさに、観る人は胸をつかまれること間違いなし。かなりあけすけに女性の心情を描いているため、男子にとってはちょっと胸が痛いかもしれないが、男たちはこういう映画を観て夢から覚めなければならない。そして、こうした女性の心情を受け止めながらも、「前のめりに死んでいく」ように恋をしたいものだ……そう、劇中の渡辺大知のように。

小説とあわせて楽しむと、本作の脚本の素晴らしさに驚かされる。映画では原作にはない重要な設定がひとつ加えられているが、脚色とはこうするのだ、というお手本のような手続きは美しい。

観たあと、好きな人の名前を呼びたくなる映画。

 

大切な人や、その人を想う気持ちをもっと大切にしたくなる

今回紹介した映画は必ずしもバレンタインに直接関係があるものばかりではないが、「大切な人や、その人を想う気持ちをもっと大切にしたくなる」という点で共通している。

これらの作品は、恋する人々の気持ちをきっと後押ししてくれるだろう。

 

text by 山田宗太朗