“女・尾崎豊”と評された榊いずみさんがロックを感じた作品とは?
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POPLETAでは様々な業界、いろいろな業種の方に自身が影響を受けた作品や人物について話を聞いています。第7回は、“女・尾崎豊”と評され、「失格」「永遠のパズル」など数々のヒット曲でファンを魅了し、いまなお活躍し続ける榊いずみさんにインタビューしました。

対談者プロフィール

  • 榊いずみ:1992年にソニーレコードから橘いずみとしてデビュー。鋭い言語感覚と叙情的な世界を同時に持つシンガー ソングライター。「失格」「永遠のパズル」「バニラ」「サルの歌」などのヒット曲はいまだに愛聴され、 多くのフォロワーを生んでいる。2006年の結婚を機にアーティスト名を榊いずみに改名。
  • 首藤和仁:1970年7月20日生まれ。神奈川県相模原出身。1995年、株式会社アスキーへ入社。週刊ファミ通にて近藤るるる・著『天からトルテ!』や『たかまれ!タカマル』等を担当し、ヒット作に。その後2013年、株式会社KADOKAWAへ移籍しComicWalkerの副編集長へ就任。和田ラヂヲ・著『猫も、オンダケ』では漫画担当および同作のテレビアニメのプロデューサーへ就任。現在はイマジニア株式会社のマンガほっとにて天月みご・著『酒男子』や伯林・著書『メダロット再~リローデッド~』のクロスメディアプロデューサーに。またエルジェイ有限責任事業組合にて『マモニャン』のクリエイターや株式会社エスケイジャパンにて『忠犬もちしば』のコンテンツプロデューサーとしても活躍中。

須藤晃さんとの出会いで、自分の中の本性が引き出された

首藤:橘いずみとしてデビューをされて間もなく“女・尾崎豊”と評された『失格』や『バニラ』等のストイックで尖ったイメージの楽曲に、当時から私自身もいずみさんにメロメロになっていましたが、子どもの頃からどこか飢えた感情があったりしていたのですか?

榊:いま思い返すと、子どもの頃からやっぱり自分の中にそういう要素がありました。でもみんなの前では“明るく見せなくてはいけない”と振る舞っていましたね。

首藤:友だちや親御さんの前ではどんな子でした?

榊:いつも明るくしていて、親の言う事はちゃんと聞く子でした。

首藤:では、いずみさんの中で眠らせていた本性が目覚めたきっかけは?

榊:東京に出てきて、尾崎豊さんのプロデュースをされていた須藤晃さんとの出会いで自分の中にいた本性の部分を引き出され、赴くままに詞を書きまくり、自分のスタイルが完成されました。でも、デビューアルバムは可愛らしい感じだったんですよ(笑)。※『君なら大丈夫だよ

首藤:それもいずみさんの融合された本来の姿でもありますもんねっ! でも私も含めて、当時のいずみさんのファンはそのセンセーショナルな世界に浸りたいと、音楽性に多くを求めるかのように聴いていましたが、ご自身は大変だったのでは?

榊:世の中に自分の表現を認められた事が嬉しくて「歌っちゃうよー!」というエネルギーのほうが勝っていたので大丈夫でした。

 

“橘いずみ”と“ポンキッキ”の都市伝説

首藤:目まぐるしい程アルバムの制作やライブツアーを重ねてご活躍の中、私の中では都市伝説レベルとなっている“橘いずみがもう一人いる説”についてもお聞きしてよろしいですか……?

榊:あー、はいはい(笑)。

首藤:『ひらけ!ポンキッキ』のおねえさんをいずみさんが担当していたという説ですが……?

榊:はい、私じゃないですよ(笑)。

首藤:まだネットとかで情報が簡単にわかる時代ではなかったので、私の周囲では「あの橘いずみがポンキッキのおねえさんになって『わっはっはたいそう』って曲を歌っているらしいぞ!」という謎の情報が出回り、それから数年後にポンキッキ全集的なカセットテープを入手したのですが、肝心の『わっはっはたいそう』は全然知らない方がカバーされていて……。

榊:それ、私と同姓同名のポンキッキのおねえさんですね(笑)。だからカラオケでは“橘いずみ”で同じ場所に入っていたりしますよ(笑)。

首藤:だって、お名前がひらがなの部分まで同じですからね! そんなにありふれたお名前でもないのに……。

榊:しかも私と同じ関西出身の方のようで、そこらへんも丸かぶり(笑)。私もいまでも聞かれますよ、「あのポンキッキの歌はどのアルバムに入っているんですか?」って(笑)。

首藤:私も必死になってカセットテープ版を見つけて購入しましたが、いったい何のために買ったのやら……。

榊:ご足労をおかけしました(笑)。

 

ゴダイゴの音楽は手触りが違った

首藤:いずみさんが音楽の世界へ入るのに影響を受けたミュージシャンはいましたか?

榊:小さい頃からお家では音楽が流れていたのですが、ザ・ベストテンで初めてゴダイゴを見たときに「いままで聴いていた世界とは違うこの手触りなんだ!?」と影響は受けましたね。

首藤:当時では珍しくベースやドラムが外国の方でしたもんね~。

榊:しかも英語で歌っていて「これがロックなんだ!」と小学生ながら思いましたから(笑)。

首藤:ゴダイゴで特に印象に残っている曲は?

榊:もちろん『ガンダーラ』や『モンキー・マジック』といったヒット曲も印象に残っていますけど、当時ゴダイゴが所属していた日本コロムビアに私の叔父が勤めていたのでLPを全部もらえて、その中の『デッド・エンド』が本当に好きでしたね。そしていまでもゴダイゴは大好きです。

榊いずみさんが書いた『ゴダイゴ』のPOP

 

ファンクラブに入会していたほどジャッキー・チェンが大好き

首藤:映画はご覧になる方ですか?

榊:映画は大好きですね。

首藤: 一番最初に観に行った映画とか覚えていますか?

榊:覚えていますよ、『ゴジラ対メカゴジラ』です(笑)。

首藤:なんと少女っぽくないステキなチョイス!(笑)。いずみさんからご両親とかに希望して観に行ったのですか?

榊:いえ、連れて行かれた感じでした(笑)。

首藤:ですよね(笑)。ではいずみさんからお願いして観に行った映画作品は?

榊:スター・ウォーズ/帝国の逆襲』ですね。大阪の梅田にある大きな劇場で観たんですけど、感動しましたね~。

首藤:その後のエピソードも追っかけているんですか?

榊:もちろん、もちろんです(笑)。ちなみに親とではなく友だちと一緒に観に行った最初の映画はジャッキー・チェンの『ドラゴンロード』でした。

首藤:ジャッキー・チェンがお好きとか?

榊:好きというより、ジャッキー・チェンのファンクラブに入っていましたから(笑)。

首藤:なんか凄い事実を知ってしまった気分です!(笑)。ちなみに一番好きなジャッキー映画は?

榊:やっぱり一番最初に観た『ドランクモンキー 酔拳』ですね。あの汚い具合とかも含めて(笑)。

首藤:「汚い具合」ってそそる表現ですね!(笑)。

榊:クレージーモンキー 笑拳』なんかも面白くて好きですけどね。カンフー以外でもクリス・タッカーと共演していた『ラッシュアワー』も好きです。

 

ボヘミアン・ラプソディに魅せられて

首藤:最近印象に残った映画は?

榊:現時点で3回映画館で観に行っている『ボヘミアン・ラプソディ』ですね。

首藤:おおっ!『ボヘミアン・ラプソディ』! やっとミュージシャンとしてのいずみさんに語って欲しい映画作品がきたっ! 3回も観に行かれた魅力はどこですか?

榊:最初に観に行ったときは、それこそオープニングでもう泣いちゃったくらいでした(笑)。ストーリーでどんどん盛り上がって、最後のライブシーンでは実際にQueenのライブ映像を観てきた世代なので、むしろ映画では“また観させてもらった”という気持ちで感動しましたが、よくよく考えれば「これって役者さんが演じているんだよな……」という思いがあったんですね(苦笑)。1回目はIMAXのシアターで観たので音質が良かったから、2回目はもう少しいじわるな目で観てみようと普通の映画館で観たら、やっぱり感動して泣いて、3回目はまたIMAXで観て泣いて……(笑)。

首藤:いじわるな目が感涙でぼやけちゃうくらい素晴らしい作品であると!

榊:そうなんです(笑)。「これでいいんだ!」という部分もフレディーから感じたし、やっぱりライブ映像のエネルギーが凄いんですよね。

首藤:例えばこの映画を100パーセントとして、ストーリーとライブに分けたら見どころはどちらに傾きましたか?

榊:見事なくらい50対50ですね。ストーリーも嫌なシーンがなく、観るほどに出演されている役者さんたちが良い空気感で演じられているし、もちろん最後のライブシーンも含めて全体が凄いキラキラとエネルギーを発している作品でした。

首藤:これは4回目の鑑賞もありそうですね!(笑)。

榊:またあのキラキラとしたエネルギーを浴びに行きたいです(笑)。

榊いずみさんが書いた『ボヘミアン・ラプソディ』のPOP

 

ジャニスの半生を描いた『ローズ』

首藤:他にみなさまにオススメしたい映画はありますか?

榊:ミュージシャンらしいところですと『ローズ』ですね(笑)。

首藤:おおっ! ジャニス・ジョップリン!

榊:バンドを始めたときジャニスの曲から入ったのですが、昔の録音環境のせいもあって、音が悪いなというイメージでした。でも、聴いているうちにジャニスの声の凄さにハマって、そのジャニスをベースにした『ローズ』という映画作品がある事を聞いたので観たんですけど…もう全てにシビれましたね。

首藤:特に見どころはどこでしたか?

榊:主演のベッド・ミドラーの歌声はもちろんですが、男の人や周りの人が去って行き“結局、私は歌うだけなんだ”という部分にアーティストの寂しさというか共感する部分が多々ありました。

榊いずみさんが書いた『ローズ』のPOP

 

マカロニほうれん荘はロック!?

首藤:ちなみにいずみさんが好きなアニメや漫画は?

榊:漫画ですと『マカロニほうれん荘』が大好きで、今日のこのインタビューでもPOPにイラストを描こうと思っていたくらいでして(笑)。

首藤:鴨川つばめ先生の名作! ぜひPOPに描いてください!(笑)。

榊:従兄弟の家に全巻あったのですが、トシちゃんやきんどーちゃんの掛け合いが面白いのはもちろん、その合間に描かれている女子高生が日本刀を持っているトビラの絵とかスカートを咥えている絵とか、全然漫画のストーリーとか関係のない不思議なイラストのロック色に魅かれまして。それこそQueenも描かれています!

榊いずみさんが書いた『マカロニほうれん荘』のPOP

 

音楽、映画、漫画と全てロックを感じるセレクトで、作品に対する思いを語ってくれた榊さん。

皆さんには人生に影響を与えた作品や人物はいるでしょうか? もしまだ出会えていない人がいたら、このPOPLETAで素晴らしい出会い、発見があるかもしれない。POPLETAであなたの人生に影響を与えてくれるクリエイターや作品との出会いを探してみてくださいね!

 

■榊いずみリリース情報
いよいよ2/28、発売!SONY時代のオリジナルアルバム+レア曲盤、CD8枚組BOXSセット「Izumi Works from 1992-1997  〜Sony Music Years Complete Box〜」!

スペシャルサイト(こちらからも予約ページにとべます)

予約受付中!予約ページはこちら
予約を申し込んでくれた方に抽選でプレゼントがあります。

「Izumi works from 1992-1997 -Sony Music Years Complete Box-」。
SONY時代のオリジナルアルバム7枚+アルバム未収録曲を収録した盤の計8枚組。
オリジナルアルバムとアルバム未収録盤は、オリジナルマスターテープによりリマスタリング、高品質企画のBlu spec CD2仕様。
付属のブックレットには当時の貴重な写真など収蔵。デビュー25周年を超え、30周年へ向かう橘いずみの歴史を振り返ることができる初のBOXです!
あなたの思い出深いあの曲たちを、今の音でBOXで永久保存してください!

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「Izumi works from 1992-1997〜Sony Music Years Complete Box〜」

◆収録内容(CD8枚組)

オリジナルアルバム
●君なら大丈夫だよ
●どんなに打ちのめされても
●太陽がみてるから
●こぼれおちるもの
●十字架とコイン
●ごらん、あれがオリオン座だよ
●TOUGH

アルバム未収録曲盤
●しあわせ(未CD化曲)
●アオの空(未CD化曲)
●失格(シングルVer)
●オールファイト(シングルVer)
●きまり(サルの歌 c/w)
●まにあうかもしれない(上海バンドネオン c/w)
●ONE PAIR (GOLD c/w)
●イワン(スパイシーレッド c/w)
●泣きたい(アマリリス c/w)

発売日 2019年2月28日
価格  ¥21,600 (税込)
品番  DQCL-3471-8(disk番号は3471、3472・・・と 3478まで続きます)
仕様  リマスタリング、BDCD2、オリジナルBOX仕様、特製ブックレット付属
Sony Music shop及び、ライブ会場にて限定発売!

 


プロフィール

榊いずみ
1992年にソニーレコードから橘いずみとしてデビュー。鋭い言語感覚と叙情的な世界を同時に持つシンガー ソングライター。「失格」「永遠のパズル」「バニラ」「サルの歌」などのヒット曲はいまだに愛聴され、 多くのフォロワーを生んでいる。2006年の結婚を機にアーティスト名を榊いずみに改名。
首藤和仁
1970年7月20日生まれ。神奈川県相模原出身。1995年、株式会社アスキーへ入社。週刊ファミ通にて近藤るるる・著『天からトルテ!』や『たかまれ!タカマル』等を担当し、ヒット作に。その後2013年、株式会社KADOKAWAへ移籍しComicWalkerの副編集長へ就任。和田ラヂヲ・著『猫も、オンダケ』では漫画担当および同作のテレビアニメのプロデューサーへ就任。現在はイマジニア株式会社のマンガほっとにて天月みご・著『酒男子』や伯林・著書『メダロット再~リローデッド~』のクロスメディアプロデューサーに。またエルジェイ有限責任事業組合にて『マモニャン』のクリエイターや株式会社エスケイジャパンにて『忠犬もちしば』のコンテンツプロデューサーとしても活躍中。

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