音楽ライター・黒田隆憲が独断と偏見で選ぶ、2019年注目の来日アーティスト14組!
  • 特集
  • 音楽

振り返れば2018年も、数多くのアーティストが来日し、印象に残る素晴らしいライヴを披露した。

大物ではポール・マッカートニーが新作『Egypt Station』を携え、早くも1年ぶりの来日。お馴染みの東京ドームに加え、ナゴヤドームや両国国技館(追加公演)など、初めて訪れる場所もありファンを喜ばせてくれたのも記憶に新しい。

また、<フジロックフェスティバル(以下、フジロック)>にはノーベル文学賞受賞アーティストであるボブ・ディランや、ピューリッツァー賞受賞アーティストであるケンドリック・ラマーが降臨したし、他にも5年ぶりの来日となったマイ・ブラッディ・ヴァレンタイン、大阪公演が当日キャンセルになるなど相変わらずお騒がせのザ・キラーズ、初来日組ではスネイル・メイルやザ・ウィークエンドなど、思いつくアクトを並べていくだけでも制限文字数を超えてしまいそうだ。

そして、今年もすでに素晴らしいアーティストの来日が続々と決まっている。主だったところを独断と偏見で紹介していきたい。

 

1. 「Your Dog」/サッカー・マミー

作品ページを開く

まずは、ソフィー・アリソンによるソロ・プロジェクト、サッカー・マミー。子供に頃に聞いてきたというアヴリル・ラヴィーンやテイラー・スウィフトのポップセンスと、90年代以降のインディー・ロックを絶妙にブレンドしたサウンドは、スネイル・メイルなどとも比較されているが、よりキャッチーで宅録っぽい雰囲気が特徴。フルバンドを率いてのパフォーマンスが今から楽しみだ。

 

2. 「Something For Your M.I.N.D.」/スーパーオーガニズム

作品ページを開く

続いてはスーパーオーガニズム。昨年の<フジロック>ではレッド・マーキーをパンパンにするなど、新人ながら異例の注目を集めている彼らは、ザ・ゴー!チーム辺りにも通じる卓越したソングライティングと、日本人ティーンエイジャーOronoのキュートかつ不敵なボーカルが魅力。東京公演は即日ソールドアウト、追加公演も決定している。

 

3. 「Elements」/ディアハンター
作品ページを開く
 

4. 「Lotus」/ギャング・ギャング・ダンス

作品ページを開く

 

5. 「Romance」/エクス:レイ

作品ページを開く

今月18日、3年ぶり通算8枚目のアルバム『Why Hasn’t Everything Already Disappeared?』をリリース予定のディアハンター と、7年の沈黙を破り昨年新作『Kazuashita』をリリースしたギャング・ギャング・ダンス、そしてドーターのフロントマンであるエレナ・トンナのソロ・プロジェクト、エクス:レイが一堂に会するイベント(通称<4AD祭り>)は、予定されていた昨年の開催が延期となっただけに雪辱戦が期待される。コクトー・ツインズの時代から、良質なアーティストを紹介し続けている〈4AD〉の「今」を確認する絶好の機会だ。

 

6. 「Everything Flows」/ティーンエイジ・ファンクラブ

作品ページを開く

結成30年を迎え、今なお世界中から愛されるスコットランドはグラスゴーの至宝、ティーンエイジ・ファンクラブのアニバーサリー・ツアーも決定しており、日本でも東名阪の公演が行われる。ティーンエイジ・ファンクラブといえば、バンド内に3人のソングライターを抱えているのが強みだった。が、そのうちの1人であるジェラルド・ラヴの「脱退」がすでにアナウンスされており、新体制となる彼らのステージがどのようなものになるのか、非常に気になるところだ。

 

7.「Stay Down」/ボーイジーニアス

作品ページを開く

昨年、初来日を果たしたジュリアン・ベイカーも再来日公演が決定。フィービー・ブリジャーズ、ルーシー・ダカスという才能溢れるシンガー・ソングライターと共に結成したスーパー・グループ、ボーイジニアス名義での同名ミニ・アルバムが、世界各国の音楽メディアで軒並み年間ベストにランクインするなど、多岐にわたる活動で注目を集めるジュリアン。東京、大阪共にビルボードライブというシチュエーションで観る彼女のライヴは、前回よりひと回りもふた回りも進化していることは間違いないだろう。

 

8. 「Nobody」/ミツキ

作品ページを開く

年間ベストといえば、常に注目を集めるメディア「ピッチフォーク」の、昨年ベスト・アルバム1位に輝いたのは、ニューヨークを拠点に活動する日系シンガー・ソングライター、ミツキ・ミヤワキのソロ・プロジェクトによる通算5枚目のアルバム『Be the Cowboy』だった。ヒリヒリとした中にも優しさを感じさせる、オルタナティヴなサウンドがセイント・ヴィンセントやビョークを引き合いに出されることも多い彼女の「凱旋ライヴ」、今から楽しみだ。

 

9. 「Guilt」/リンゴ・デススター

作品ページを開く

紅一点アレックス(Ba)のキュートなルックスや、楽曲のキャッチーさ、そして親しみやすいメンバーのキャラにより、2000年代以降のシューゲイザー・バンドの中でも群を抜いて人気のある3人組、リンゴ・デススター。彼らの日本デビュー10周年を記念したツアーが東名阪にて開催される。3.11の年には、多くの海外組が来日キャンセルする中、急遽<フジロック>への参戦を決めてくれるほど親日家の彼ら。前回から4年ぶりとなる再会が待ち遠しい。

 

10. 「Heart Attack」/チューン・ヤーズ

作品ページを開く
才女メリル・ガーバスのソロ・プロジェクトとしてスタートし、現在は長年の制作パートナーであるネイト・ブレナーを加えたデュオ編成となったチューン・ヤーズは、これが初の単独公演。昨年の<フジロック>では、トライバルなリズムとループを駆使した摩訶不思議なサウンド、メリルによるワイルドかつキュートなボーカルがオーディエンスを虜にした。あの興奮を再び味わえるとは。東京にて一夜限りの公演なのでお見逃しなく。

 

11. 「Television Romance」/ペール・ウェーヴス

作品ページを開く

まるでティム・バートンの映画から飛び出してきたかのような、ゴシック・ファッション&メイクに身を包んだヘザー・バロン・グレイシー率いるペール・ウェーヴスも、昨年の<サマーソニック>に続いて早くも再来日。その見た目とは裏腹に、80年代MTVポップなどから影響を受けたとびきりキャッチーな楽曲と、ヘザーのキュートなダンスが見どころ。

 

12. 「Graffiti」/チャーチズ

作品ページを開く

80年代ポップといえば、昨年<フジロック>でホワイトステージの大トリを務めた我らがチャーチズも再来日が決まっている。そのキュートなルックスとファッションセンス、フェミニズム的な言動によって同性からも熱い支持を集めるローレン・メイベリーのパフォーマンス、デペッシュ・モードやコクトー・ツインズ、シンディ・ローパーらに影響を受けた、シンガロング必至のメロディ。東京公演では、2月28日に水曜日のカンパネラ、3月1日にはコムアイが単独でゲストに駆けつけるとのこと。

 

13. 「City Looks Pretty」/コートニー・バーネット

作品ページを開く

昨年、3年ぶりとなるセカンド・アルバム『Tell Me How You Really Feel』をリリースした、オーストラリアはメルボルン出身のシンガー・ソングライター、コートニー・バーネットも3年半ぶりに再来日が決定。カート・ヴァイルとのコラボアルバム『Lotta Sea Lice』(2017年)も好評だった彼女によるパフォーマンスは、前回以上に深みを感じさせるものとなるのは間違いないだろう。

 

14. 「Cigarette And Chocolate Milk」/ルーファス・ウェインライト

作品ページを開く

そして、最後に紹介するのはカナダを代表するシンガー・ソングライター、ルーファス・ウェインライト。このところピアノの弾き語りなど小規模の編成が続いたルーファスだが、デビュー20周年記念公演となる今回はなんと11年ぶりのバンド編成で、初期の2枚『Rufus Wainwright』『Poses』を再現するという。あのめくるめくドリーミーなサウンドスケープが目の前に広がるなんて、想像しただけで卒倒しそうだ。

 


 
以上、駆け足となってしまったが、今年の来日予定のアーティストを14組12公演ピックアップしてみた。

意外にも昨年フェス参加からの再来日組が多い印象だが、ファンはもちろん、あのとき一目惚れして「もう一度じっくり観たい」と思っていた人も是非、足を運んでみてはいかがだろうか。

 

text by 黒田隆憲