クレヨンしんちゃんの野原しんのすけ役!小林由美子さんが声優を目指すきっかけとなった作品とは?
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POPLETAでは様々な業界、いろいろな業種の方に自身が影響を受けた作品や人物について話を聞いています。第8回は、『クレヨンしんちゃん』の主人公・野原しんのすけの新声優として活躍する小林由美子さんにインタビューしました。

対談者プロフィール

  • 小林由美子:生年月日:6月18日。出身地:千葉県。所属:フリー。主な出演作:『デュエル・マスターズ!』切札ジョー/『クレヨンしんちゃん』野原しんのすけ/『鬼灯の冷徹』シロ/『焼きたて!ジャぱん!』東和馬/『ピースメーカー鐡』市村鉄之助/等・多数。
  • 水島裕:声優、タレント、プロデューサーとしてマルチな活動を展開。日本民間放送連盟賞(ラジオ・CM部門)や日本アニメグランプリ最優秀賞キャラクター賞を受賞。代表作はサモ・ハン・キンポー、マーク・ハミル、ジェット・リー作品の吹き替え、『100万年地球の旅 バンダーブック』(バンダー)、『六神合体ゴッドマーズ』(マーズ/明神タケル)他多数の主役を務める。TBS系列『ひるおび!』(月~金:10時25分―13時50分)では平日毎日ナレーションを担当中。

『幽☆遊☆白書』で声優の練習!?

水島:幼少期はどんな子どもだった?

小林:小学校に入学した時は全くというくらい喋らない子でした(苦笑)。自分が通っていた幼稚園から同じ小学校へ行く子が少なかったのですが、元々の性格が内弁慶で極度の人見知りだったのもあり、最初のお友だち作りがなかなかできなかったんですね。学校の通知表とかにも「もっと由美子ちゃんの声が聞きたいなぁ」と書かれるくらいでした。

水島:いまと全然違うイメージだけど、何か変わるきっかけはあったの?

小林:小学校の3年生くらいまでは学校にも全然溶け込めなかったのですが、小学校4年生の時に出会った担任の先生が凄くいい方でして。そのおかげでかなり前向きな性格になれて、「声優になりたーい!」とか言えるようになれたり、高校では演劇部に入れたりしました。

水島:初めて演技に触れたのは高校生から?

小林:中学生の頃に『幽☆遊☆白書』が好きになって、漫画のセリフを抜き出して、テープに声を録音して自分で聴いて「フムフム…次回はここにもっと強弱を入れよう」なんてやっていました(笑)。

水島:いいね(笑)。

小林:その頃、私は器械体操部にいたんですけど、床競技でのフリー演技で使う曲は自分で選んでテープに編集するのですが、卒業する時、それを後輩へ渡すという文化があったので、私も編集したテープを置いてきたんですけど、卒業したあと器械体操部入った妹が、ある日の夕飯に「あのさぁ…お姉ちゃんがしゃべっている声が体育館中に流れていたんだけど……あれなあに?」って言われてまして……。私、間違えて自分でセリフを吹き込んだテープを渡してしまっていたんです…。

水島:残念ながら、夢じゃなかったと……。

小林:現実でした……(苦笑)。

水島:いまもそのテープは残っているの?

小林:あると思います。

水島:あー、学校に寄贈したいね。

小林:ヤダァァァァァーーーーー!!! 絶対にヤダァァァァーーー!!! 体育館だったから剣道部やバレーボール部の全員が私の吹き込んだ『幽☆遊☆白書』のヘタクソなセリフを聴くという地獄のような現実が……(苦笑)。

 

声優を志したきっかけは『ドラゴンボール』

水島:声優になりたいと思ったきっかけは何だったの?

小林:ドラゴンボール』ですね。毎週水曜日の夜7時に見るのが楽しみでした。その時はまだ声優という存在を知らなくて、キャラクターが普通に声を出していると思っていまして。そしたら友だちが、声優雑誌を学校に持ってきて「これ、悟空の声をやっている人だよ」って教えてくれたんです!

水島:マコさん(※野沢雅子さん)だね。

小林:そうなんですよ! しかも、女性の方が悟空の声をやっているとかもう「ええーーー!?」と声を上げちゃったくらい衝撃的で……。

水島:いいね、声優冥利に尽きるよ(笑)。

小林:そこから野沢雅子さんに興味を持って、インタビューや声優雑誌を読み始めて「野沢さんみたいに男の子の声が出せる声優になりたい!」と思いました。

水島:中学の頃は演劇部の選択はなかったの?

小林:演劇部がなかったんです。なので、自分で何か表現できる事はないかなと探していた時、器械体操部の先輩の演技を見て、その表現力に魅せられて入部しました。あとバック転に憧れて(笑)。“カメハメ波”は訓練すれば本気で撃てると中学の後半くらいまでは思っていました。

水島:どう、カメハメ波は出た?

小林:電気のヒモに向かって練習していたら空気抵抗で“ゆらっ…”と動いて「わああああ!? 出てしまったーーー!!! もう少しで本物が~~~!!!!」と興奮してました(苦笑)。

水島:本当に出ていたかもよ(笑)。ちなみに器械体操で得意だった種目は?

小林:床ですね。他の競技は捨てて、バック転とバック宙に全てを懸けていました。


小林由美子さんが書いた『ドラゴンボール』のPOP

 

矢島晶子さんへの想い

水島:大人になってから影響を受けた作品はありますか?

小林:これを話しちゃうと、「ちょっと、出来すぎじゃないの?」って思われるかもしれないのですが、声優を目指すきっかけになった「男の子の声をやりたい」という思いはずっと変わらず、男の子の役を演じる女性の声優さんの声をいっぱい聴いて勉強していて。外画(※ 日本以外で制作された映像作品)でも通用する、より自然で、子役さんともいい勝負ができる男の子の声でありたいと思っていたんですよね。そんな時に矢島晶子さんの『ホーム・アローン』を観て、マコーレ・カルキンの吹き替えを聴いたとき、何回聴いても子どもの男の子の声にしか聴こえなくて。

水島:矢島さんは本当にナチュラルな芝居ができるからね。

小林:「どうしてこの声が出るんだろう……?」と本当に思って、録音した声を毎日毎日聴いても、いまだに子役さんがしゃべっているようにしか聴こえないんですよね。

水島:我々は作品を“観る”より“聴く”からね。それ、いつの頃?

小林:デビュー当時なので20年前です。それからずっと矢島さんの声に近づきたくて、矢島さんのカルキンのセリフを起こしては、毎日毎日勉強させてもらい、練習していました。

水島:それから20年経って、矢島さんの代わりで『クレヨンしんちゃん』を演じるとはね。

小林:そうなんです! まさか私がしんのすけを演じるとか夢にも思っていなかった。20年経って今こうしてまた矢島さんが積み上げてきたしんちゃんの声を毎日聴いて、また矢島さんのセリフを起こして勉強させていただけるとは…。

水島:不思議な縁だよね。

小林:本当に私が勝手に思っているだけですが、縁を感じさせていただいています。いまでも毎日、矢島さんのしんちゃんと私のしんちゃんはどう違うのかを聴いて、声に出して勉強しています。

水島:でも国民的な作品だし、大きなチャンスをいただいたよね。

小林:矢島さんのナチュラルな男の子の演技は、私の中のどこかに必ずあるので、このお話しをいただいた時も現在も、何とか矢島さんに少しでも近づけるようにと思っています。

水島:僕は誰かが演じていたキャラクターを受け継いだ事はないんだけど、実際それを受け継ぐってどういう感覚になるのかな?

小林:とにかくしんちゃんはイメージが強いキャラクターで、ウチの子どもも『ドラえもん』の流れで必ず見る番組ですから、子ども達が違和感なく観られる作品にならなくてはと思っていまして。そのためにはあの雰囲気と、長く観ている方のためにも“ものまねでいい”といまは思いながら、できれば徐々に自分の色も出せたらいいなと思います。

水島:プロだねー!

小林:いや、もう本当にいまは、矢島さんの積み上げたものまねでしかないですけど……(苦笑)。


小林由美子さんが書いた『ホーム・アローン』のPOP

 

民謡からアニソンまで

水島:子どもの頃に影響を受けた音楽はある?

小林:民謡ですね。父親が民謡をやっていた影響もあって、親戚の前とかで歌うと大人が褒めてくれたり、お菓子をくれたりするので(笑)。

水島:曲名とか覚えてる?

小林:『秋田大黒舞』とか……めでたい時に歌う曲ですね。民謡以外だと、母親がよく聴いていた美空ひばりさんの歌とかですね。

水島:印象に残っている作品は?

小林:アルバムなんですが、美空ひばりさんの東京ドームコンサートのCD『不死鳥』は中学生の頃によく聴いていました。

水島:ひばりさんの曲で印象に残っているのは?

小林:母親が好きだった『港町十三番地』ですね。

水島:初めて自分で買った曲は?

小林:アニメ『ドラゴンクエスト』の曲で徳永英明さんの『夢を信じて』です! たしかお年玉を貯めて買った記憶があります。

 

大好きなゆずの楽曲と縁

水島:人生で影響を受けた曲はある?

小林:これもやっぱりできすぎな話でアレなんですけど……。私、ゆずさんが大好きで、アルバムは全部持ってます! そしたら『クレヨンしんちゃん』の新しい主題歌がゆずさんの『マスカット』になりまして。ゆずさんはデビューの時期が一緒で、本当に辛かった時、ゆずさんの歌に何度も励まされました。

水島:特に励まされた曲は?

小林:雨と泪』ですね。特にデビュー当時、仕事で悔しい事や苦しい事があった日はこの曲を聴きながら「くそー! 負けないぞ!」と帰り道の長い坂を泣きながら自転車引きずって帰ってました。

水島:美空ひばりさんとか秋田大黒舞とかゆずとか……なんかふり幅が広すぎて掴みづらい(笑)。

小林:そうですよね(苦笑)。ゆずさんは妹がファンクラブに入っていて、そこから自分でもアルバムを買ってファンになったり、美空ひばりは母の影響だったり、秋田大黒舞を歌っていたのは父の影響だったり……。

水島:順応性が高いんだね。しかも、極度の人見知りや積極的に前に出る部分、ガッツもある。性質のふり幅が本当に凄い(笑)。

小林:基本的に人見知りの性格は変わっていないんですけど、ひとたびスイッチが入ると周りが何を言おうが御構い無しに猪突に進んでしまうので……(苦笑)。

水島:その全てを含めて、これからも良いアクターでいてください。

小林:はい、ありがとうございます!

 

様々なアニメや音楽作品、そして名声優に憧れ、声優人生を歩んでこられた小林さん。
皆さんには人生に影響を与えた作品や人物はいるでしょうか? もしまだ出会えていない人がいたら、このPOPLETAで素晴らしい出会い、発見があるかもしれない。POPLETAであなたの人生に影響を与えてくれるクリエイターや作品との出会いを探してみてくださいね!

 


プロフィール

小林由美子
生年月日:6月18日。出身地:千葉県。所属:フリー。主な出演作:『デュエル・マスターズ!』切札ジョー/『クレヨンしんちゃん』野原しんのすけ/『鬼灯の冷徹』シロ/『焼きたて!ジャぱん!』東和馬/『ピースメーカー鐡』市村鉄之助/等・多数。
水島裕
声優、タレント、プロデューサーとしてマルチな活動を展開。日本民間放送連盟賞(ラジオ・CM部門)や日本アニメグランプリ最優秀賞キャラクター賞を受賞。代表作はサモ・ハン・キンポー、マーク・ハミル、ジェット・リー作品の吹き替え、『100万年地球の旅 バンダーブック』(バンダー)、『六神合体ゴッドマーズ』(マーズ/明神タケル)他多数の主役を務める。TBS系列『ひるおび!』(月~金:10時25分―13時50分)では平日毎日ナレーションを担当中。

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