音楽ライター・あたそが選ぶ2018年のベストアルバム5選
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年末の楽しみのひとつといえば!いろいろな人のベストアルバムを聴くこと!!!じゃないですか?今年もたくさんの音源がリリースされました。音楽に起因した経験や思い出もたくさんできたし、振り返ってみると2018年もいい一年だったように思います……。

でも、前々から思っていたんですけど、ベストアルバム大体みんな被りますよね。「あ~~そのアルバムね~いいよね~知ってる!」という感想を抱くことになり、新たな発見にはつながらないこと、ありません?ということで、人があんまりセレクトしなさそうな私の今年のベストアルバムを発表します!

 

1. 『犯罪者が犯した罪の再審始まる』/killie

作品ページを開く いやあ、待ってた!killieの10年の活動が納められたベストアルバムです。すみません、はじめから激情系ハードコアの音源のタイトルを挙げてしまった……。

killieは、これまで出したCDはすべて廃盤にしているため、ヤフオク・ディスクユニオンでは数万円の価値がついていたりします。友達や知り合いのコネを使いまくって音源を集めまくりました。懐かしい。なので、音源が手元にあるのが単純にうれしい……。

発売が発表された当初は、「へえ、あんな面倒臭いバンドがベストアルバムか……」と多少思ったりしましたが、タイトルに特典DVD、CDのおまけなど、いろいろヤバくて安心しています(笑)。

私はこのバンドは大好きで都内のライブはできるだけ足を運ぶようにしているのですが、見るたびに何かしらの衝撃を受けます。普通の人があのライブ見たらどう思うんでしょうか。ずっと気になっています。

ライブって、音源では表現しきれない部分をどれだけ引き出せるか、みたいな部分があると思うんですけど、激情系やハードコアはその最前線なんじゃないでしょうか。曲のタイトルもいいし、曲順もアドレナリンがドバドバ出ます。好き嫌いは分かれると思いますが、いろいろと新しい扉が開けてくる1枚です。

 
 

2. 『Daylight』/swim good now

作品ページを開く カナダのオンタリオ州に拠点を置くプロデューサー……らしいです。結構聴きこんでいましたが、今知りました。

このアルバムで初めて知った方なんですが、きっかけはJapanese Wallpaperというオーストラリア出身の20代前半のトラックメーカーが楽曲に参加していること。この人は何で知ったんだろう?忘れてしまったけど、濠州のトラックメーカーやシンガーソングライターを聴くきっかけになったり、去年ゴールドコーストのスーパーで買い物をしているときにスーパーの有線から彼の音楽が流れてきてひとりテンションがブチ上がったりと、個人的に思い出深いのです。名乗ってんだし、早く日本来ないかな、と思っているんですけど。

アルバムはエレクトリック・ドリームポップが中心で、スローテンポなナンバーも絶妙です。それぞれに個性的なゲストボーカルを呼んでいるので、また聴こえ方が違ってくるんですけど、プロデューサーらしく全体を通じて聴くとビシッと決まっているのがよくわかります。バランスが取れていて、いろんな感情を与えてくれるアルバムです。

 
 

3. 『Love Is Dead』/CHVRCHES

作品ページを開く 今年のフジロック大トリもかなりよかった……!「Get Out」のイントロを聴くだけで、かわいすぎたローレンちゃんが瞼の裏に浮かびます……。今回のアルバム後くらいから若くてイケメンなドラマーを引き連れていて、エレクトロニカありがちな「音がなんとなく弱い」問題を解決していました。こちらのアルバムからもたくさん曲をやってくれていて、うれしかったな~。

何かひとつのアーティストを好きになると、「前回の方向性の方がよかった」「この作品の方が好き」という感想を抱くと思うのですが、CHVRCHESはどれもいい!方向性も変わらず、クオリティを保ったままで聴く人を飽きさせず、めちゃくちゃいい音楽を作ってくれます。

今回は、「陰と陽」がテーマとかなんかで見た気がするんですけど、CHNRCHESの音楽ってエレクトロでポップな癖に(?)明るさ全開じゃないところがいいですよね。少し影があるというか。なんでだろう、不思議。

曲調もポップでわかりやすいし、ローレンちゃんの透明度の高い声。嫌いな人いないんじゃないでしょうか?「洋楽はちょっとな」という方も結構いると思うんですけど、騙されたと思って聴いてみて欲しいです。もちろん歌詞は英語なんですが、ほら……なんとなくなんて言ってるかわかるし……。

 
 

4. 『BALLADS 1』/Joji

作品ページを開く こちらはニューヨーク在住、大阪生まれの日系オーストラリア人のラッパーです。こちらもつい最近発売されたばかりなのですが、BillboardのHIPHOP部門で1位を取ったりしています。1位ってだけでもすごいんですけど、アジア人アーティストで初だったりします。いや~すごい。元YouTuberっていうのもまたいいよね……多彩だ。

今年は私にとって、HIPHOPの概念がぶち壊された1年でもありました。なんか韻を踏んでいるだけの不良が聴いてるよくわからん音楽じゃねえんだ……!と分かったときから、アジアを中心に色々なHIPHOPを聴きまくっています。

Jojiを知ったきっかけは、中国・四川省出身のHigher Brothersと同じ〈88rising〉というレーベル(事務所?)にいたからです。日本のラッパーであるKOHと一緒にアメリカツアーを回ったりもしていました。

色々なHIPHOPを聴くようになって、私の概念はどんどん新しいものにアップデートされていくのですが、こちらのアルバムなんて正にそう。全体を通じてノスタルジックで、肩の力が抜けていく音楽。感傷的な気持ちになりながら聴くことができます。

私はどちらかと言えば暗い音楽の方が好きになりやすい傾向にあるんですけど、このアルバムを聴いて「こういう音楽もHIPHOPって名乗っていいんだな」なんて思ったりもしました。

こういうのをChillhopというらしいんだけど。ビートも割とシンプルで、Jojiの優しい声も合わさってローファイにも感じられて落ち着きますね。すっごくいい!まだ発売されたばかりなので、もっと聴き倒したいです。

来年1月に来日するんですが、本当に楽しみです。来年はHigher Brothersを見るために中国行こうかな?と思っていたくらいなので。〈88rising〉については今後アジアだけではなく世界的に何かやらかしてくれるはずなので、音楽が好きなら今からチェックしておいて間違いないと思います。

どのアーティストも本当にかっこよくて「アジアの音楽はダサい」という概念が覆る……!

 
 

5. 『ネット上の人間関係についての簡単な調査』/The 1975

作品ページを開く いや、すみません……この原稿を書いている現在は、まだ先行リリースされているだけで全編を通じて聴いていないんですけど、本当に楽しみで楽しみで……現在公開されている4曲を聴く感じ、転機としているというか、今までにない曲が並ぶのかな?と予想をしているのですが、私の好みではあるので、まあ大丈夫です。

アルバムを通じて聴くと、どういう印象になるんでしょう。早く聴きたいな!前回のアルバムは、『君が寝てる姿が好きなんだ。なぜなら君はとても美しいのにそれに全く気がついていないから。』というポエトリーな感じでしたが、今回もすごいですね。なんだ、このタイトル……。

この前ロンドンに行ったとき、地下鉄にYouTubeとコラボした広告が大きく貼ってあって、めちゃくちゃにテンションが上がったんですよね~。

ビートルズ、クイーン、オアシス、レディオヘッドなど、イギリス出身のアーティストには世界を変えてしまうような、その時代を象徴するようなバンドがいたりしますが、The 1975がまさに現代を象徴するバンドなんじゃないでしょうか。私が好きだからそう思うだけかな?

世界各地でツアーが決まっていますが、日本には来てくれるのかなあ。来ないならオーストラリアまで見に行こうかなあ、とか考えています。

9月のちょうど3連休でさ……。お願いだからフジロックに……来てくれ……!ホワイトステージのトリで頼む……!お願いだ……!

 


 
今年のベストアルバム、というか最近よく聴いているアルバムを挙げていただけな気もしますが……。あと、洋楽ばっかりですみません……。でも、どれも本当に素晴らしい作品なので、あんまり偏見を持たずに聴いてみてください。

こうしてベストアルバムを発表すると、年の瀬感が増してきますね。

来年はどんな音楽を聴いて、どんな感想を持つんでしょう。「もういい加減、飽きてもいいんだけどなあ」なんて思うこともあるんですけど、初めて聴く音楽に出会うたびに、子どもの頃におもちゃを買ってもらったくらいの気持ちになるんですよね。

来年もたくさん音楽を聴いて、ライブに行っていたいな~。

 

text by あたそ