MISIAにサカナクション、秋の「深まり」を感じさせるミュージック・ビデオ4選

気が付けばもう10月後半。すっかり秋も深まってきました。まさに晩秋。秋のクライマックスです。春、夏、冬と他の季節には「深まる」という表現は使われませんが、秋だけに「深まる」という表現が使われます。またこのような言い方をするのは、日本だけのようです。このように表現する理由について調べてみましたが、発祥や理由について、正確には突き止められませんでした。

しかしながら、他の季節にはない、この「深まる」という表現の中に、秋という季節だけが持つ、特別なニュアンスが込められているような気がしてなりません。山々が深く色づいていくように、闇夜が深さを増していくように、日本の秋は「深まって」いくのです。今回はそんな日本の「秋」を堪能できるミュージック・ビデオをいくつか紹介させて頂きます。

 

日本の「秋」を堪能できるミュージック・ビデオを紹介!

1. 「逢いたくていま」/MISIA
まずは定番中の定番から。2009年11月に発表されたMISIAの23枚目のシングルにして、TBS系日曜劇場『JIN-仁-』の主題歌としても使用され、大ヒットとなった「逢いたくていま」。そのミュージック・ビデオは紅葉したもみじの葉が床一面に敷き詰められた圧巻のカットからはじまる、まさに「日本の秋」を映した美しい映像が印象的。

素晴らしいMISIAのバラードとともに、日本の秋を堪能できる珠玉のミュージック・ビデオです。撮影場所は都内、目黒雅叙園だそうです。

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2. 「ドラマチックレコード」/安藤裕子
繊細で透明感のあるヴォーカルと抜群のポップ・センスを兼ね備えた女性シンガーソングライター、安藤裕子が2004年に発表し、いまだにファンの間でも人気の高い彼女の代表曲のひとつ。

ミュージック・ビデオには千葉県市原市の五井駅から夷隅郡大多喜町の上総中野駅までを結ぶローカル線「小湊鉄道線」が使われており、車窓から見える田んぼ、ススキの穂波などの田園風景は、これぞ日本の秋といった感じです。前半に登場するかわいらしい佇まいの駅舎は、2017年に国の登録有形文化財に登録された上総鶴舞駅です。

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3. 「サンプル」/サカナクション
いまやこの国を代表するロック・バンドに成長を遂げたサカナクションが2007年12月5日に配信でリリースした初期の野心作にして、いまだ人気の高い名曲。

晩秋のキリっと冷たい空気が伝わってきそうなミュージック・ビデオの映像に、ソリッドでタイトな演奏とミニマルなダンス・ミュージックのグルーヴが溶け合うクールなサウンドが見事にマッチしています。秋の山々というと鮮やかな紅葉を思い浮かべてしまいがちですが、こうした寂寞たる景観も日本の秋ならではのものですね。

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4. 「Walking on the clouds」/藤原さくら
最後は秋、というよりも冬の訪れを感じさせるこの曲のミュージック・ビデオを。藤原さくらと言えば、カントリー、ブルース、フォーク、ジャズなど古き良きアメリカン・ミュージックをバックボーンに持つ早熟な音楽性、またその類まれなスモーキー・ボイスでコアな音楽ファンたちも魅力する人気シンガーソングライター。

その包容力のあるヴォーカルは、寒空の下で飲むホカホカのコーヒーのようにリスナーを温かく包み込んでくれるかのよう。この季節にこそ聴きたい1曲です。

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というわけで、今回は日本の秋を堪能できるミュージック・ビデオを紹介させて頂きました。今回はミュージック・ビデオという縛りを設けましたが、秋の名曲はたくさんあります。世界には日本のように秋がない国もたくさんあります。明確な四季があり、気候的にも変化に富んだ豊かな秋を味わえる日本という土壌からは秋の名曲が生まれやすいのかもしれませんね。

 

text by 加藤直宏