観覧注意!観たらお腹が空く「食テロ」洋画5選
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料理には、その国の文化が表れる。やっぱり旅に出たら、そこの美味しいものを食べたいと思うのが心情だ。この記事では、観ると思わず「本場の味を食べるためにヨーロッパ旅行をしたくなる」映画を紹介する。

 

『シェフ! 〜三ツ星レストランの舞台裏へようこそ〜』(2012年)


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日本でも有名なフランス人俳優ジャン・レノが主演のフランスのコメディ映画。三ツ星レストランのシェフが料理への閃きを失い、このままでは次の審査で星を失いかねないという危機に直面。そんな時、数多くの有名シェフのレシピを完璧に暗記する才能を持ち、天才料理人を自称するがペンキ塗り屋として働く若い男と出会い、彼を自分のアシスタントとして誘い、その二人の掛け合いが笑いを誘う作品。

フランスの三ツ星レストランが舞台で、画面には美味しそうなフランス料理が出てくる。シェフの2人が妥協を許さず、我が強いキャラクターを演じ、二人の関係性も面白いコメデイ映画。料理シーンだけではなく、内容としてもおもしろおかしく観られる作品。この映画で本場フランスの高級フレンチを目で堪能しながら、本場フランスで高級フランス料理を食べてみたいと思うこと間違いなし。

ペンキ塗り屋の男がアシスタントにふさわしいかテストをする場面では、目の前の料理を口にしながら、材料を当てていく、料理人の世界ではよくありそうな光景も、なんだかクスっと笑えるシーンとなっている。厨房だけでなく、公の場で料理を披露する二人が周囲に聞こえないように、小声で喧嘩をしながら料理をしていく様など、よく見るキッチンの罵声が飛びながらのやり取りとは又違って笑える。

 

『二ツ星の料理人』(2015年)


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アメリカ映画だが舞台はイギリス。傲慢な性格が災いしてすべてを失った元二ツ星シェフをイケメン俳優のブラッドリー・クーパーが演じ、三ツ星を目指して再起を図る中で少しずつ成長していく姿を描いたドラマ。

美味しい料理だけではなく、三つ星を目指す料理人のキッチンの裏側も垣間見ることができる。レストランは優雅な食卓をイメージするが、その裏側のキッチンは正に戦場。シェフ同士の足の引っ張り合いなどドロドロした人間関係も描かれる。

実際にロンドンにこんな素敵なレストランがあるの? と思わせる、そんな作品。イギリス料理は有名ではないし不味いと評判ではあるが、実は最近のロンドンには多くの星を獲得した有名レストランが集まっているとも言われる。食が不味いと思われているイギリス、この作品を観てからロンドンに訪れてみてはいかがだろう?

 

『ノーマ、世界を変える料理』(2016年)


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独創的な料理の数々で世界から注目を集め、英レストラン誌が選出する「世界ベストレストラン50」で3年連続1位に輝いたデンマーク、コペンハーゲンの人気レストラン「NOMA(ノーマ)」のオーナーシェフ、レネ・レゼピを追ったドキュメンタリー映画。

独創的で斬新な料理はちょっとびっくりするものも多いが、素材を大事にし、料理の本質が分かる、そんな作品。デンマーク料理と聞いてもピンとこない方も多いだろ。しかしこの作品には、実際にデンマークに足を運び、世界の1位に計4回輝いたレストラン「NOMA」に行ってみたいと思わせる力がある。

実はカリスマシェフ、レネ・レゼピがデンマークの本店を休業し、総勢77名のスタッフを引き連れて日本に期間限定で「ノーマ・アット・マンダリン・オリエンタル・東京」を開店させたこともあり、こちらの様子もドキュメンタリー映画として楽しむことができる。(※『ノーマ東京 世界一のレストランが日本にやって来た』)日本の食材を彼らがどう料理していったのか、気になった人は是非合わせて観てみることをおすすめする。

 

『大統領の料理人』(2012年)


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フランスの片田舎で小さなレストランを営んでいた女性シェフがある日突然、有名シェフ、ジョエル・ロブション氏の推薦でミッテラン大統領の専属料理人に抜擢された実話を元にしたフランスの伝記映画。史上初の女性料理人として周囲の男たちの嫉妬や専横に遭いながらも、周囲の協力の下、素朴な家庭料理をこよなく愛する大統領から厚い信頼を得るようになる。そんな彼女の専属料理人の2年間と任期満了になる1日が描かれた実話を元にした作品だ。

先日亡くなったジョエル・ロブション氏の名前は知っている方も多いのではないだろうか。そんな日本びいきでもあった彼が推薦した女性シェフのお話。この作品では、レストランの料理ではなく、フランスの大統領がどんなものを食べていたのかを覗いてみることができる。素朴な家庭料理と言ってもそこは大統領の為の料理、登場するのはかなり高級な家庭料理の数々。ソースが多くてちょっと日本人の胃にはもたれるかも、と思われるフランス料理だが、実は素朴なフランス料理も存在することも知ることができる。男性が多いイメージの料理の世界だが、周囲の嫌がらせにも負けず頑張る女性シェフの姿は世の女性を元気づけてくれるのではないだろうか。

 

『ジュリー&ジュリア』(2009年)


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1960年代に出版したフランス料理本で人気となった料理研究家ジュリア・チャイルドと、その全レシピを1年で制覇しようとブログを書く現代に生きるジュリー・パウエルの二人の実話を基にしたアメリカ映画。平凡な生活を送っていたジュリーが料理研究家ジュリア・チャイルドのフランス料理本の料理を作る過程をブログで書いていたお陰で、本当に本を出版してしまったと言う、正に現代のサクセスストーリーが描かれている。

有名料理本を見ながら作るフランスの家庭料理の過程など、他の食テロ映画とはまた違った視点の映画。これを見れば自分でも料理が作れるかも……と思えるかもしれない!? 家庭で食べられているブッフブルギニヨン(ブルゴーニュ風牛肉の煮込み)や、とてつもなく大きなエビを丸ごと鍋で茹でてお騒ぎしたり、テレビのお手本を観ながら鶏肉一匹をさばくなど、日本の家庭料理ではあまり見られない光景を含め、身近なフランス家庭料理を楽しむことができる。実際に販売されている本なので、(英語版であるが)実際に映画の中の料理を自分で作ってみることも可能だ。

 

豪華絢爛な料理にご注意を


やはりヨーロッパの料理は日本とはかなり異なり、キッチンも日本とはまた違いかなり騒々しい。でも、そんな情熱の中で作られていく料理の数々。日本には美味しいフレンチもイタリアンもあるが、映画を観たらやはり本場に足を運び、本場の料理を食べてみたいと思うのではないだろうか。

 

 

text by Kuriko

プロフィール

Kuriko
"ヨーロッパ20年在住、現在フランス在住ライター。映画コラムニスト。 映画鑑賞は日常生活の一部。趣味は監督や演者の質疑応答がある先行上映会に行くこと。"