シンガーソングライター/音楽プロデューサーのさいとうりょうじがおすすめする音楽映画10選
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P.O.P、RHYMEBERRYをはじめシンガーソングライター/音楽プロデューサーとして知られる、さいとうりょうじが2018年10月5日(金)に池袋HUMAXシネマズにてMVフェスティバル<SAITO RYOJI Film Festival>を開催。今回の映画祭開催に際して、さいとうりょうじがおすすめの音楽映画10選を紹介してくれました。アーティスト/プロデューサーと多方面で活躍するさいとうりょうじが影響を受けた映画とは?

 

さいとうりょうじがおすすめの音楽映画10選

 
1. 『Ray/レイ』(原題:Ray)

■あらすじ
2004年公開。ソウルの神様、レイ・チャールズの人生を描いた作品。主演のジェイミー・フォックス(Jamie Foxx)は今作でアカデミー賞主演男優賞を受賞。監督は『愛と青春の旅だち』(原題:An Officer and a Gentleman)のテイラー・ハックフォード。


■コメント
あまりにもレイ・チャールズ(Ray Charles)そのもので知られる名作。本人の長い歴史を作った初期に焦点を当てたストーリー。ホラーっぽい描写は僕にはいらなかったけど、リズム&ブルースのやり方を教えてくれる教則本みたい。回想シーンの近所のおじちゃんにブルースピアノを教わるシーンにブルースの全てが詰まっている。数々の名曲を生み出す晩年までの後編が作られる日を待っています。

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2. 『キャデラック・レコード 音楽でアメリカを変えた人々の物語』(原題:Cadillac Records)

■あらすじ
シカゴのブルース・レーベル〈チェス・レコード〉をモデルにした伝記・ミュージカル映画。第66回ゴールデングローブ賞歌曲賞ノミネート。ビヨンセが製作総指揮を務める。


■コメント
マディ・ウォーターズ(Muddy Waters)、エタ・ジェイムス(Etta James)、リトル・ウォルター(Little Walter)、チャック・ベリー(Chuck Berry)といったアメリカのブラックミュージックの最重要人物たちをビヨンセ(Beyoncé)、モス・デフ(Mos Def)といった現代のブラックミュージックの顔たちが演じるというだけでもご飯10杯はいける設定。これ見てない奴のグルーヴなんか信用できないレベルで必見、中でもビヨンセの歌唱シーンはエタ・ジェイムスを彷彿させるどころか超越する圧巻のテイクで、デジタル修正前提のこの時代に歌という芸術が何であるのかを教えてくれる。

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3. 『ブルース・ブラザーズ』(原題:The Blues Brothers)

■あらすじ
アメリカのNBCの人気番組『サタデー・ナイト・ライブ』の、同名の人気コーナーのキャストとバンドをベースに、ストーリーをつけて映画化したもの。1980年にジョン(・デヴィッド)・ランディスが監督したアメリカ映画。アメリカ合衆国のコメディアンであるジョン・ベルーシとダン・エイクロイドが主演で、彼らをフロントメンバーとするR&B/ブルースの音楽バンドとしても活動している。


■コメント
言わずと知れたブルース映画! 生まれた頃の作品でリアルタイムの記憶はないがあとから考えればこの時代に僕がブルースマンとして生きているのも遠巻きにこれが要因を作ったと思う。この音楽がダンスミュージックである事を説明し直し、世にその存在を再認識させなければ、ジョン・メイヤー(John Mayer)だっていなかったかもしれない。だってきっとスティーヴィー・レイ・ヴォーン(Stevie Ray Vaughan)の売り上げに少なくとも影響しているだろうから。

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4. 『ブルース・ブラザーズ2000』(原題:Blues Brothers 2000)

■あらすじ
『ブルース・ブラザーズ』の続編。18年の刑期を終えて刑務所から出たエルウッド(・ブルース)を待っていたのは(ジョエリット・)ジェイクの訃報であった。少年時代を過ごした孤児院を訪ねたエルウッドはバスター(・ブルース)という少年と意気投合、彼ら「ブルース・ブラザーズ」を結成してバンドを復活させることを決める。


■コメント
続編の今作はとにかく二つ。中学生の当時、同世代の天才として現れ圧倒的な実力を誇ったジョニー・ラング(Jonny Lang)。今でもこいつには負けたくないと勝手に憎んでいる世界最高峰のギタリスト、彼の登場シーンのだけで十分価値がある。あと挫折の後、主人公がメンバーを説得した言葉は今こそ世界中に伝えたい。「今俺たちが諦めたら、アメリカが作ったこの音楽は、軽薄なダンスミュージックやギャングスタラップに消されてしまう、それでもいいのか?」。

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5. 『クロスロード』(原題:Crossroads)

■あらすじ
ブルースを主題としたロードムービー。画面は主にカラー、一部モノクロ。実在のブルース・ミュージシャン(ギタリスト)、十字路に現れる悪魔に魂を担保にブルースの極意を得るという契約を交わしたとされるロバート・ジョンソンの「クロスロード伝説」をモチーフとしている。日本公開は1987年4月。


■コメント
ブルースの祖。すなわちロックの祖、ヒップホップの祖でもあるロバート・ジョンソン(Robert Johnson)の幻の曲を探す白人の少年と黒人のじいさんのロードムービー。旅先で演奏に対し重要なブルースのイロハを教えてくれる貴重な映画で、それらは教則本に載っている類とは違う本質である。最後に現れるクロスロードの悪魔=スティーヴ・ヴァイ(Steve Vai)がギタリストの間では悪評高くある意味注目。

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6. 『エリック・クラプトン~12小節の人生~』(原題:Eric Clapton: Life in 12 Bars)


■あらすじ
『エリック・クラプトン~12小節の人生~』は、アーティストたちの貴重なアーカイブ映像やクラプトン本人によるナレーションとともに、彼の波乱に満ちた半生を追った音楽ドキュメンタリー。2017年9月に<トロント国際映画祭>でプレミア上映され、2018年2月には米Showtimeで初放送。


■コメント
実はまだ日本では上映されてない作品。俺(だけでなく世界中のギタリスト)の音楽の根幹でもあるエリック・クラプトン(Eric Clapton)の伝記という事で心待ちにしている映画。感想は言いようもないですが、彼とストラトキャスターの激動の人生を知ることは僕の音楽生活でも必須科目であることはすでに分かっているのです。

エリック・クラプトン~12小節の人生~ 公式サイト
http://ericclaptonmovie.jp/

 

7. 『マイ・ブルーベリー・ナイツ』(原題:My Blueberry Nights)


■あらすじ
2007年製作のウォン・カーウァイ監督の映画。ウォン・カーウァイ初の英語作品であり、主演は歌手のノラ・ジョーンズ。恋人の心変わりで失恋したエリザベス。慰めてくれたのはカフェのオーナー、ジェレミーが焼くブルーベリーパイだった。しかし、それでも別れた彼を忘れられないエリザベスは、旅に出る。


■コメント
当時世界中を驚かせ新時代の歌姫となったノラ・ジョーンズ(Norah Jones)がスクリーンに乗り込んだロードムービー。ノラ・ジョーンズファミリーとも言える楽曲の数々が彩るロードムービー。今回挙げた他の映画にも共通しますが、アメリカっぽいアメリカ大好き心をくすぐるなんともアメリカンな映像と若かりし頃のスリムなノラ・ジョーンズ(インドの血を引いてるからか年々ふくよかに……)を拝める貴重な作品。

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8. 『ギター弾きの恋』(原題:Sweet and Lowdown)


■あらすじ
1999年に製作されたアメリカ映画。ウディ・アレン監督。ショーン・ペンが天才ジャズ・ギタリストを演じたドラマ。本作の演技によって、ショーン・ペンがアカデミー主演男優賞に、サマンサ・モートンがアカデミー助演女優賞にノミネートされた。音楽映画かつねじれた恋愛映画。


■コメント
僕の数少ない音楽の師、石田長生が教えてくれた映画。(ギブソン・)ES−335なんてダサい奴が使うから弾くな、ピッキングは強く、色々なことを教えてくれた内の一つがこの映画を観ろ、だった。ジャンゴ・ラインハルト(Django Reinhardt)の伝記ではなくジャンゴに勝てない世界二番目のギタリストという設定が劇的にクール。子供の頃は誇張しすぎな人物設定と思っていたが、ギター道を進むほど同じような事をしている気がする。複雑な要素で構成されるジャズの香ばしい部分を見せてくれる。

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9. 『ジャージー・ボーイズ』(原題:Jersey Boys)


■あらすじ
フォー・シーズンズ(The Four Seasons)について、兄弟のニック・デヴィートと友人のニック・マッシと共にグループをいかに結成し、成功、挫折をしていったのかを描く


■コメント
コーラスグループの割とデフォルメした伝記。クリント・イーストウッド監督による割と派手な演出でありつつ要所要所の歌唱シーンが素晴らしすぎる欠点のない音楽映画。歌というものが生活や気持ちによって左右されすぎるのは演奏家として決して良しとしないタイプなのですが、それらが少し起因するのも事実で、その関係とバランスが絶妙で最後に泣いてしまいました。

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10. 『はじまりのうた』(原題:Begin Again)


■あらすじ
恋人のデイヴとともにニューヨークへやってきたシンガーソングライターのグレタが彼と別れ、落ち目の音楽プロデューサー・ダンと一緒にアルバムを作る。マルーン5(Maroon 5)のアダム・レヴィーン(Adam Levine)が映画初出演。劇中歌「Lost Stars」が第87回アカデミー賞の歌曲賞にノミネート。

■コメント
ストーリーは実は淡々としている、悲しみのシンガーが落ち目のプロデューサーと名作をつくるサクセスストーリー。でもその制作シーンひとつひとつが音楽をつくる喜びに溢れていて、音楽がいかに人間に対して必要で尊いものかを紐解いてみせる傑作。テーマとなる楽曲が普通に名曲だという事がこの映画の価値を他の音楽映画との差を浮き彫りにしている。作曲家という稼業のなかで磨耗していく創作への情熱を簡単に呼び戻す特効薬でした。

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いかがだったでしょうか。今回はシンガーソングライター/音楽プロデューサーのさいとうりょうじが音楽映画を紹介しました。どれもさいとうりょうじの今に影響を与えた作品です。音楽をやっている方もそうではない方も一度ご覧になってみてください。

 

 

Comment by さいとうりょうじ
text by Tatuya Kawasaki

 


■EVENT INFORMATION
<SAITO RYOJI Film Festival>
2018.10.05(金)
OPEN 19:45/START 20:00
池袋HUMAXシネマズ 東京都豊島区東池袋1-22-10
ヒューマックスパビリオン 池袋サンシャイン60通り6F・8F・B2F
¥2,500
<出演>
さいとうりょうじ
梅田誠志(MORE THE MAN)
池田拓真
馬場智也(P.O.P/Soupnote)
<ゲスト>
MIRI(RHYMEBERRY)
首藤晃志(TASTE OF TIME/CENTRAL)